国立天文台 メールニュース No.24

_____________________________________________________________________

    国立天文台 メールニュース No.24  (2010年12月8日発行)
_____________________________________________________________________

 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報
 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。
 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

-----------------------------------------------------------
もくじ
■12月14日は、ふたご座流星群が極大
■「皆既月食を観察しよう」キャンペーン
■板垣さん、うお座方向にある銀河に超新星を発見
-----------------------------------------------------------


■12月14日は、ふたご座流星群が極大

 毎年12月13、14日頃を中心に「ふたご座流星群」が活発に活動します。今年
は12月14日の夜に活動が極大になると予想されていますが、流星群の活動は何
日間か続きますので、極大の前後数日間は流星の出現が期待できるでしょう。
 流星が最も多く見られるのは、14日の真夜中過ぎから15日の明け方にかけて
と予想されています。観察できる流星の最大数は、4等星まで見えるような平均
的な空では、1時間に15~20個程度と予想されます。2等星までしか見えないよ
うな市街地では1時間に5個程度ですが、6等星が見えるような条件の良いきれい
な空では1時間に50個以上の流星を見るチャンスがあるでしょう。
 また、13日夜も、14日夜ほどではありませんが、ある程度活発な流星の出現
を観察できそうです。
 月が出ている間は、月の光に邪魔されて暗い流星が見えなくなりますので、
なるべく、月が沈んだ後の真夜中過ぎに観察をするのがよいでしょう。

 国立天文台では、12月13日夜から16日朝まで、このふたご座流星群を観察し、
流星が何個見えたか等を報告していただく「ふたご座流星群を眺めよう」キャ
ンペーンを実施します。キャンペーンページでは、観察報告の受け付けのほか、
詳しい観察方法等も紹介していますので、ぜひご覧ください。

 ▽「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーン
  http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20101213/
  http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20101213/ (携帯電話用)


■「皆既月食を観察しよう」キャンペーン

 月食は、太陽-地球-月が直線に並び、月が地球の影に入り込むため、満月
の一部または全部が欠けたように見える現象です。12月21日の夜には、月全体
が地球の影の中に完全に入り込み全体が欠けて見える「皆既月食」が起こりま
す。日本で皆既月食が見られるのは、2007年8月28日以来およそ3年ぶりのこと
です。今回の月食は、観察しやすい早い時間帯に起こり、日本全国で観察する
ことができます。
 そこで国立天文台では、できるだけ多くの方に、この皆既月食という現象を
観察していただけるよう、「皆既月食を観察しよう」キャンペーンを行います。

 観察日 :12月21日 (火) の夜
 報告方法:パソコンもしくは携帯電話を使いキャンペーンページから報告
 報告内容:観察時刻、そのときの月の色など
 その他 :報告されたデータは自動集計し、10分おきに速報として掲載

 月食の経過や観察方法などを、キャンペーンページにて詳しく解説していま
すので、そちらを参考に観察してみてください。携帯電話からも参加可能です。
ぜひ皆さんお気軽にご参加ください。
 参加者には、パソコンや携帯電話の壁紙画像のプレゼントもあります。
 この機会に、久しぶりの皆既月食をご覧になってみてください。

 ▽「皆既月食を観察しよう」キャンペーン
  http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20101221/
  http://naojcamp.nao.ac.jp/i/phenomena/20101221/ (携帯電話用)


■板垣さん、うお座方向にある銀河に超新星を発見

 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、12月2日 (世界時) 
の観測から、うお座方向にある銀河 (2MASX J23160991-0214004) の中に16.9
等の超新星を発見しました。この発見は、国際天文学連合電報中央局に報告さ
れ、この超新星は「2010ki」と命名されました。

 ・発見日時 2010年12月2.473日 = 12月2日11時21分 (世界時)
 ・発見位置 赤経 23時 16分 9.58秒
       赤緯 -2度 14分 5.3秒 (2000年分点)

 なお、この超新星は、母銀河の中心から西に5.4秒角、南に5.2秒角の位置
にあります。
 板垣さんによる超新星の発見は、今年に入って8個目、通算では64個目 (独
立発見を含む) となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多
記録をさらに更新中です。

 ▽参照
  CBET No. 2564 : SUPERNOVA 2010ki (2010 Dec 3)

 ▽日本人が発見した超新星一覧
  http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html


_____________________________________________________________________

発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2010年12月8日

◇バックナンバーは次のページをご覧ください。
 配信先メールアドレスを変更したい方、配信を中止したい方は、このページ
 右側のメニュー「配信のお申し込み・中止」より手続きをしてください。
  http://www.nao.ac.jp/mailnews/index.html

◇配信についてのお問い合わせは、次のメールアドレスあてにお送りください。
  mail_serve_(at)_pub.mtk.nao.ac.jp
   ("_(at)_" をアットマーク (@) に変えてお送りください)
_____________________________________________________________________
転載:ふくはらなおひと(福原直人)