国立天文台 メールニュース No.20
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国立天文台 メールニュース No.20 (2010年11月12日発行)
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もくじ
■すばる望遠鏡、かみのけ座銀河団に広がった電離水素ガス雲を多数発見
■小石川さん、くじら座方向にある銀河に超新星を発見
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■すばる望遠鏡、かみのけ座銀河団に広がった電離水素ガス雲を多数発見
国立天文台、東京大学、広島大学などの研究者から成る研究チームは、すば
る望遠鏡の主焦点カメラを用いた観測により、かみのけ座銀河団には、広がっ
た電離水素ガス雲を伴った銀河が14個も存在することを明らかにしました。こ
のような電離水素ガス雲を伴った銀河は、過去にも数個の銀河団でそれぞれ1-2
個は見付かっていましたが、今回のように、一つの銀河団から多くの電離水素
ガス雲を伴った銀河を見付け、銀河の性質や空間分布、速度分布を明らかにし
たのはこの研究が初めてです。
これらは、銀河団の周辺にあった銀河が、銀河団の巨大な重力によって引き
ずり込まれ、その際にガスが引きはがされたものと考えられています。この発
見は、銀河団における銀河の進化の現場を捉えた重要な研究成果となります。
研究チームは、電離水素ガス雲をより詳しく観測し、温度や密度の状態を調
べることで、我々の近くの銀河団でいったいどのように銀河やガスが進化して
いるのかを解明していくことを計画中です。
▽すばる望遠鏡、かみのけ座銀河団に広がった電離水素ガス雲を多数発見
http://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2010/11/09/j_index.html
▽すばる望遠鏡
http://www.subarutelescope.org/
■小石川さん、くじら座方向にある銀河に超新星を発見
宮城県仙台市にある仙台市天文台の小石川正弘 (こいしかわまさひろ) さん
は、11月6日 (世界時) に行った観測から、くじら座方向にある UGC 595 銀河
の中に17.5等の超新星を発見しました。発見は、同天文台にある口径1.3メー
トルの望遠鏡を使用した観測によるものです。この発見は、国際天文学連合電
報中央局に報告され、超新星は「2010jo」と命名されました。
・発見日時 2010年11月6.580日 = 11月6日13時55分 (世界時)
・発見位置 赤経 0時 57分 35.6秒
赤緯 -1度 23分 33.0秒 (2000年分点)
小石川さんにとって、今回が初めての超新星発見となりました。小石川さん
の今後のさらなる活躍を期待いたします。
▽参照
CBET No. 2543 : SUPERNOVA 2010jo IN UGC 595 (2010 Nov 11)
▽日本人が発見した超新星一覧
http://www.nao.ac.jp/new-info/supernova.html
▽仙台市天文台
http://www.sendai-astro.jp/
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2010年11月12日
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転載:ふくはらなおひと(福原直人)