マウナケアの三大望遠鏡が観測時間の相互乗り入れを開始

   マウナケアの三大望遠鏡所長、連名で地元の新聞に投稿:連帯をアピール

 世界最大級の望遠鏡9台のうち4つはマウナケア山頂にあります: 2台のケック望遠鏡、ジェミニ北天望遠鏡、そしてすばる望遠鏡です。各望遠鏡にはそれぞれ長所がありますが、それぞれの望遠鏡を利用して観測できるのは、通常は、資金提供をした国あるいは研究機関に属している天文学者だけです。今までは、マウナケアの望遠鏡を特徴に応じて使い分けるのが科学的に望ましくても、複数の望遠鏡で観測時間を確保するのは大変難しいことでした。

 ところが今回、ケックとすばるは観測時間の相互乗り入れを試験的に開始しました。この夏に日本の天文学者はケックの世界最高性能を誇る分光器を利用し、ケック望遠鏡の天文学者がすばるの抜群に広い視野を持つ主焦点カメラを使った観測が成功しました。ケックとジェミニはさらに踏み込んで、望遠鏡観測時間を分かち合う協定を結びました。

 マウナケアにある望遠鏡間での観測時間の交換により、世界有数の望遠鏡の能力を最大限に利用することが可能になり、宇宙に関するより興味深い発見を生み出すことが期待されます。

*ケック、ジェミニ、すばる望遠鏡の三所長が連名でハワイ島の日刊新聞West Hawaii Today紙に記事を投稿して、ハワイの人々にこのニュースを報告しました。

参照

2004年10月27日            国立天文台・広報普及室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)