福岡県久留米市の西山浩一 (にしやまこういち) さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫 (かばしまふじお) さんが、10月26日 (世界時、以下同じ) の観測から、いて座に9.3等の新星を発見しました。
この天体は、10月26.439日と10月26.440日に焦点距離105ミリメートルのカメラレンズ (f/4) を使用したCCD観測によって得られた2枚の画像 (限界等級13.6等) から発見されました。お二人は同日、引き続き40センチメートル反射望遠鏡 (f/9.8) を用いて観測を続け、5枚のCCD画像 (限界等級17.5等) からこの天体の等級を9.3等と測定し、また以下の位置を得ました。
この天体の発見日時、位置 (10月26.455日の値)、発見等級は次の通りです。
発見日時 2009年10月26.439日 = 10月26日10時32分 (世界時) 赤経 18時 31分 32.79秒 赤緯 -16度 19分 07.5秒 (2000年分点) 等級 9.3等
西山さんと椛島さんは、10月20日と21日にもこの場所を観測し、複数枚の画像 (限界等級はそれぞれ13.9等、13.4等) を得ていましたが、この天体は写っていませんでした。
また、イタリアの P. Corelli さんは、10月26.764日に45センチメートル反射望遠鏡 (f/4.4) を使用し、この天体を9.3等で観測したことを報告しています (注1)。また彼は、パロマー写真乾板 (限界等級21.0) に、この天体が写っていなかったことも付け加えています。
西山さんと椛島さんは、今年8月にもいて座に新星を発見しています。今回の発見でお二人の新星発見は、通算8個目となりました (注2)。お二人のさらなる活躍を期待します。
注1:西山さんと椛島さんの発見情報が、CBATの未確認観測情報のウェブに掲載された後の報告
注2:このほかに、M31銀河等の天の川銀河外の新星も多数発見している。
2009年10月28日 国立天文台・広報室