福岡県久留米市の西山浩一 (にしやまこういち) さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫 (かばしまふじお) さんが、8月6日 (世界時、以下同じ) の観測から、いて座に新星らしき天体を発見しました。
この天体は、8月6.494日に焦点距離105ミリメートルのカメラレンズ (f/4) を使用したCCD観測によって7.7等という大変明るい等級で発見されました。 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通りです。
発見日時 2009年8月6.494日 = 8月6日11時51分 (世界時) 赤経 18時 07分 07.67秒 赤緯 -33度 46分 33.9秒 (2000年分点) 等級 7.7等
西山さんと椛島さんは、7月22日と29日にもこの場所を観測していましたが (限界等級12.7等) この天体は写っていませんでした。
また、ワルシャワ大学の G. Pojmanski さんらによる全天自動捜索 ASAS (All Sky Automated Survey) も、8月6.182日に7.78等でこの新星を独立発見しており、同じシステムでは8月4.152日にこの新星が写っていなかったことが報告されています。
京都大学花山天文台の前原裕之 (まえはらひろゆき) さんは、岡山県倉敷市の藤井貢 (ふじいみつぐ) さんによる藤井美星観測所でのスペクトル観測や、広島大学のかなた望遠鏡 (広島県東広島市) によるスペクトル観測から、この天体が新星であることが確認されたと報告しています。
西山さんと椛島さんは、今年4月にもいて座に新星を発見しています。今回 の発見でお二人の新星発見は、通算7個目となりました (注)。お二人のさらなる活躍を期待します。
注:このほかに、M31銀河等の天の川銀河外の新星も多数発見している。
2009年8月11日 国立天文台・広報室