山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、7月10日 (世界時、以下同じ) の観測から、18.0等の超新星を発見しました。この超新星は、ペガスス座方向にある NGC 7647 銀河の中にあり、板垣さんご自身所有の口径60センチメートル反射望遠鏡 (f/5.7) を用いたCCD観測 (限界等級20.0等) により撮影された複数枚の画像から発見されました。
この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2009hi」と命名されました。
この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2009年7月10.722日 = 7月10日17時20分 (世界時) 赤経 23時 23分 56.24秒 赤緯 +16度 46分 30.0秒 (2000年分点) 発見等級 18.0等
この超新星は NGC 7647 銀河の中心から西に17秒角、南に8秒角離れた位置にあります。
板垣さんは、発見前の7月5.724日にもこの場所を撮影しており、この超新星が18.7等で写っていたことを確認しています。
板垣さんの他にも、リック天文台の超新星自動検出サーベイ KAIT (Katzman Automatic Imaging Telescope) のグループのW. Liさんらが、7月10.49日に17.6等でこの超新星を独立発見しています。
また、板垣さんが2006年8月3日にこの場所を観測したときの画像 (限界等級20.0等) や、KAIT のグループが2008年12月1.13日に撮像した画像 (同19.2等) には、この天体は写っていませんでした。
板垣さんは、6月に3週連続で発見するなど、今年に入ってすでに6個の超新星を発見しています。日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録更新中ですが、今回の発見を含めた超新星の通算発見数は、ついに50個 (独立発見を含む) となりました。偉大なる記録達成は、賞賛に値します。板垣さんのさらなる活躍に期待します。
2009年7月14日 国立天文台・広報室