ALMAで干渉計実験に成功

 4月30日、チリ北部に建設中の大型電波望遠鏡プロジェクトALMA (Atacama Large Millimeter/submillimeter Array) は、天体からの電波を2つのアンテナを結合させて受信し、干渉計としての性能を確認する重要なマイルストーンを達成しました。

 標高2900メートルの山麓施設 (OSF) において、日本と北米がそれぞれ製作した直径12メートルのアンテナ2台を結合させて、火星からの電波を受信し、干渉縞 (フリンジ) を確認することができました (専門用語で「ファースト・フリンジ」と呼びます)。これは、アンテナおよび関連するハードウェアが「干渉計」として働くことを確認できたことを意味します。

 「ファースト・フリンジを達成したことにより、アンテナおよび関連する様々なハードウェアが統合されたシステムとして働くことを証明できた。これは、国際連携による強みであり、ALMA観測所がまた一歩前進した」とALMA観測所長である Thijs de Graauw 氏は語っていました。

 今回は標高2900メートルでのアンテナ2台の干渉計としてのテストでしたが、最終的には地球上で最も天体観測に適した標高5000メートルのALMA山頂施設に設置され、世界最高性能の電波望遠鏡として宇宙の謎の解明に挑みます。

参照:

2009年5月26日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)