世界を繋ぐイベント「世界中で宇宙を観ようよ100時間」

 世界天文年である2009年は、スタート以来、世界各地で天文学を身近に感じられる様々なイベントが開催されています。

 来る4月2日からは、世界規模の企画の一つ「世界中で宇宙を観ようよ100時間 (100 Hours of Astronomy) 」が始まります。この企画は、2日から5日の4日間にかけて行われるもので、世界中の観測現場からのウェブ中継を通じて天文学の最前線に触れたり、世界各地で開催される観望会を繋いで世界中で夜空を見上げる一体感を味わったりと、世界規模で天文学や星空に親しむことができます。

 日本が参加するイベントは、次のものが予定されています。

○望遠鏡80台世界一周 (Around the World in 80 Telescopes)

 4月3日 (金) の午後6時 (日本時間) から24時間をかけて、世界中の80の天文台や天文観測衛星での観測現場がインターネット中継される、国際協力による空前の規模のイベントです。今まさに観測中の天文学者が、インターネットを通じてその現場を一般向けに解説します。

 この中継は、ハワイのマウナケア山頂の望遠鏡群からスタートし、夜の時間が東から西へ移るのに伴って中継場所も西へ西へと移って行き、24時間で世界を一周します。間には、地上の夜とは関係なく観測している天文観測衛星や重力波観測施設からの中継も行われます。

 このイベントに参加する日本の天文台は次の通りです (時刻は日本時間) 。

4月3日 18時20分 国立天文台すばる望遠鏡 (ハワイ)
4月3日 21時40分 国立天文台野辺山宇宙電波観測所
4月3日 22時00分 群馬県立ぐんま天文台
4月3日 22時20分 国立天文台岡山天体物理観測所
4月4日  7時40分 太陽観測衛星「ひので」
4月4日 15時00分 国立天文台重力波観測施設「TAMA300」 (三鷹)

 主に英語での解説となりますが、ウェブで映像を観るだけでもその雰囲気を味わうことができることでしょう。

○世界一周観望会 (24-hour Global Star Party)

 4月4日 (土) の夜、世界中の街角や星見スポットで、気軽に夜空の星を楽しむ観望会が開催されます。土星と月がちょうど見頃となる土曜日の夜、世界中の街角で夕暮れからの観望会がスタートし、徐々に西へと移り行く夜を繋いでいくと、24時間でぐるりと一周することになります。日本各地の100カ所を超える会場で、この「世界一周観望会」が企画されています。

 皆さんも、お近くの観望会に参加して星空を世界に繋いでみませんか。また、自宅のベランダや近所の公園で、家族や友人同士で星空を見上げてみてはいかがでしょうか。

 また、日本では、4月2日から5日に開催される天文関係のイベントを「世界中で宇宙を観ようよ100時間」イベントとして、ウェブページで紹介しています。観望会だけでなく、プラネタリウムや工作教室といった催し物もありますので、お近くのイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。

 この期間は、他にも様々な世界規模のイベントがあります。詳細は世界天文年2009日本委員会のウェブページをご覧ください。

参照:

2009年3月27日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)