板垣さん、NGC 1343 銀河に超新星を発見

 山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、7月1日と2日 (世界時、以下同じ) の観測から、18.2等の超新星を発見しました。この超新星は、カシオペヤ座方向にある NGC 1343 銀河の中にあり、板垣さんご自身が所有する口径60センチメートルの反射望遠鏡 (f/5.7) を用いたCCD観測により撮影された画像の中から発見されました。

 この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2008dv」と命名されました。

 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。

発見日時 2008年7月1.73日前後 = 7月1日17時30分前後 (世界時)
赤経 3時 37分 51.43秒
赤緯 +72度 34分 21.8秒 (2000年分点)
発見等級 18.2等

 この超新星は NGC 1343 銀河の中心から東に8秒角、北に5秒角離れた位置にあります。

 板垣さんが以前この場所を撮影した画像 (限界等級は20.5等) やDSS (注) の画像には、この超新星は写っていませんでした。

 スペクトル観測や光度変化の追跡など、今後の詳しい観測が待たれます。

 板垣さんによる超新星発見は、今年に入ってからこれで5個目となりました。今回の超新星発見を含め、板垣さんの超新星の発見数は通算39個 (独立発見を含む) となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに更新中です。

:DSS (Digitized Sky Survey) は、米国にあるパロマー天文台のサミュエル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オーストラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化したもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天体まで写っている。

参照:

2008年7月3日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)