国立天文台、土星のライブ映像をネット配信

 土星は、小望遠鏡でも見ることができる美しい環を持つ惑星です。環の傾きは約15年周期で変化していますが、現在、土星の環の傾きはたいへん小さくなっており、2009年には、環が全く見えなくなる時期が訪れます。今年の土星はこれから太陽の方向に近づいて見づらくなっていき、明け方の空に再び姿を表すのは9月末以降となりますので、日の入り後の観察しやすい位置にある今のうちに、環を観察しておきたいものです。

 国立天文台では、このように環の傾きが小さくなった土星の姿を多くの皆さんにご覧いただくため、次の日程で、望遠鏡を使った映像のインターネット中継をおこなうことにしました。

中継日:5月12日 (月) および 5月13日 (火) の2日間
中継時間:両日とも19:30より21:30まで (予定:天候などにより変更あり)
使用望遠鏡:三鷹キャンパス 社会教育用公開望遠鏡
(50センチメートル反射望遠鏡)
中継ページ:http://www.nao.ac.jp/phenomena/20080512/

 中継では、生解説を交えながら、同時に見える月や火星の様子とともに、土星の映像をお送りする予定です。

 土星・火星・月だけでなく、普段はなかなか見ることのできない水星もこのころ見やすい時期を迎えるため、国立天文台では、土星中継に加えて、5月10日の夜から18日の夜にかけて「見てみよう!春の夜空の月・惑星」キャンペーンをおこないます。

 解説ページでは、月の動きや水星の観察、天体をデジタルカメラで撮影する方法などを紹介しています。観察された感想などをお待ちしておりますので、お気軽にご参加ください。

 また、国立天文台が日本望遠鏡工業会とともに昨年から展開してきた「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンの終了が、5月31日にせまってきました。まだ見ていない惑星が残っている方は、ぜひお急ぎください。

 なお残念ながらこの時期、金星は太陽に近い方向にあるため、観察が困難です。しかし、これからこのキャンペーンに参加する方向けに、金星を見ることができない場合の特別ルールを設けました。詳しくは「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンの「お問い合わせ」ページをご覧ください。

 これまで参加のきっかけがなかった皆さんも、この機会に惑星を観察し、キャンペーンの認定証を手になさってください。

参照:

2008年4月30日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)