愛媛県上浮穴郡久万高原町にある久万高原天体観測館の藤田康英 (ふじたやすひで) さんは、1月14日 (世界時、以下同じ) の観測から、18.7等の超新星を発見しました。この超新星は、ペルセウス座方向にある NGC 1259 銀河の中にあり、同館の口径60センチメートル反射望遠鏡を使った観測により発見されました。
この発見は、山岡均 (やまおかひとし) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、超新星は「2008L」と命名されました。
発見日時、位置、発見等級は次の通り。
発見日時 2008年1月14.499日 = 1月14日11時59分 (世界時) 赤経 3時 17分 16.65秒 赤緯 +41度 22分 57.6秒 (2000年分点) 発見等級 18.7等 (Rバンド)
この超新星は NGC 1259 銀河の中心から、西に6秒角、南に10秒角離れた位置にあります。同じ観測機器 (限界等級19.5等) を用いて1月6日に同じ場所を観測した際には、この天体は写っていませんでした。また、1月16日の確認観測では、17.8等と明るくなっていました。
藤田さんは、1994年にM51に出現した超新星「1994I」を独立発見しています。
これで、日本人による超新星発見は、今年に入って3個目となります。
また、今回の発見は、各地の公開天文台が協力して超新星探索をおこなう「SNOW プロジェクト」 (注) の一環の観測によるもので、このプロジェクトでの超新星発見は初めてとなります。
注:SNOW (SuperNovae Observing Web) は、銀河団をモニターし、そこに出現する超新星を発見、観測しようというプロジェクトで、国内の公開天文台が協力して観測をおこなっています。この観測により、超新星出現の頻度を明らかにし、さらに宇宙の化学組成について重要となる手がかりを得ようというものです。
2008年1月21日 国立天文台・広報室