太陽は、およそ11年の周期で活発な状態と静穏な状態を繰り返しています。太陽活動の活発さは黒点数の増減に表れ、黒点が多く出現するほど太陽活動が活発であることを示します。黒点の出現が少なくなる極小期から次の極小期までをひとつの周期と考え、それぞれの周期には1755年から始まる番号がつけられています。
1999年から2002年に極大期を迎えた第23周期の太陽活動は、2007年前後に極小期を迎え、いつ次の第24周期の活動が始まるかが注目されていました。
太陽活動のそれぞれの周期の後半には、黒点は主に赤道付近に出現し、次の周期の始まりには、前の周期とは逆極性の磁場を持った黒点が高緯度に現れることが知られています。昨年までに観測された黒点は、活動周期の後半を示す赤道付近に出現しており、第23周期の活動が続いていることを示していました。
しかし、今年1月5日、国立天文台三鷹キャンパスにある太陽望遠鏡のひとつでおこなった白色光による観測で、次の太陽周期の始まりを示す、最初の高緯度での黒点の出現が捉えられました。さらに、「広視野マグネトグラフ」と呼ばれる機器による磁場の観測では、出現した黒点の磁性が反転していることも確認されました。
これらの観測により、太陽活動が新しい周期に入ったことが、三鷹キャンパスの太陽望遠鏡でも確認されたことになります。
太陽活動が変動するメカニズムには、まだはっきりと解明されていない点も多く残されており、今後の活動を予測するのは簡単ではありません。今回の第24周期の太陽活動がどのようなふるまいをするか、見守っていきましょう。
2008年1月21日 国立天文台・広報室