兵庫県佐用町にある兵庫県立西はりま天文台公園の内藤博之 (ないとうひろゆき) さんが、9月10日 (世界時、以下同じ) の観測から、18.6等の超新星を発見しました。この超新星は、くじら座方向にある MCG -01-5-2 という銀河の中にあり、同天文台の口径2メートルのなゆた望遠鏡を使った観測により発見されました。この発見は国際天文学連合電報中央局に報告され、超新星は「2007ig」と命名されました。
以下は、内藤さんによって発見された超新星の観測値です。
発見日時 2007年9月10.74日 = 9月10日17時46分 (世界時) 赤経 1時 32分 19.81秒 赤緯 -7度 51分 35.8秒 (2000年分点) 等級 18.6等 (R等級)
超新星「2007ig」は MCG -01-5-2 銀河の中心から、西に9秒角、南に2秒角離れた位置にあります。DSS画像 (注1) や CFHT (カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡) の口径3.6メートル望遠鏡で撮影されたNED画像 (注2) には、今回の超新星は写っていませんでした。
内藤さんにとって、今回が初めての超新星発見です。日本人による超新星発見は、今年に入って8個目となりました。
注1:DSS (Digitized Sky Survey) は、米国にあるパロマー天文台のサミュエル・オシン・シュミット望遠鏡と、オーストラリアにあるアングロ・オーストラリア天文台の英国シュミット望遠鏡を用いて、全天を撮影し、デジタル化したもの。限界等級の値は天域によって変わるが、平均的には20等級前後の天体まで写っている。
注2:NED (NASA/IPAC Extragalactic Database) は、NASA (米国航空宇宙局)のジェット推進研究所と、カリフォルニア工科大学が運用している、銀河のデータベースである。なお、今回の発見の確認に使用された画像には、限界等級情報の記載はないと発表されている。
2007年9月13日 国立天文台・広報室