2006年9月23日に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」は、順調に、すべての観測機器で定常観測が行われています。いままで、ごく一部の画像データがウェブページで公開されていましたが、2007年5月27日午前10時 (日本時間)に全観測データが世界に公開されました。日本では、国立天文台と宇宙航空研究開発機構 (略称 JAXA) が共同開発した「ひので」データ検索・配布システム“DARTS/HINODE”により、JAXA 宇宙科学研究本部のウェブページで公開されています。
公開されるデータは、FITS と呼ばれる研究者が多用する画像フォーマットですが、可視光磁場望遠鏡 (SOT) とX線望遠鏡 (XRT) の画像データは、国立天文台が一般向けに無料配布している FITS画像解析ソフト“マカリ”などを使って閲覧することができます。
全データ公開スタートにともない、皆様からご希望が多かった、ひので衛星で撮像した最新太陽画像も、ひので科学プロジェクトホームページで見ることができるようになりました。ひので衛星の観測データを受信局から転送するには1日程度の時間が必要ですので、公開される最新データは、前日捉えた太陽画像です。画像更新は、毎日12時頃 (日本時間)の予定です。
また、全データ公開を記念した、XRTによる長期間X線観測の動画も公開されました。この動画からは、可視光では想像もできないような活発な太陽活動の様子を知ることができます。是非、国立天文台ひので科学プロジェクトホームページからダイナミックな太陽活動の動画をご覧下さい。
なお 現在も、大量に取得された「ひので」のデータを吟味し、太陽活動の謎を解明するための研究が進行中です。
2007年5月28日 国立天文台・広報室