すばる望遠鏡が土星に3個の新衛星を発見

 国際天文学連合 (IAU) は、5月11日、土星に3個の新衛星が発見されたことを国際天文学連合回報 (IAUC) に発表しました。これらの新衛星は、シェパード (S. S. Sheppard) さんらの研究チームによって、マウナケア山頂にある“すばる望遠鏡”を用いた観測から発見されたものです。彼らの研究チームは、昨年6月にもすばる望遠鏡を用いた観測から土星に9個の新衛星を発見したばかりで、目覚ましい活躍と言えるでしょう。

 今回発見された新衛星には、それぞれ「S/2007 S 1」「S/2007 S 2」「S/2007 S 3」の仮符号が付けられました。マースデン (B. G. Marsden) さんの計算によると、これらはそれぞれ895日、793日、992日で土星のまわりを公転しており、また「S 2」と「S 3」の2衛星は公転方向が逆行であることが判明しています。

 今回の発見により土星の衛星の数は、確実なものとして59個、不確かなものまで含めると62個となりました。この数は、太陽系の惑星で最も多い衛星を持つ木星 (確実なもの62個、不確実なものを含めると63個) に肉薄するものです。

参照:

2007年5月16日            国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)