平成19年度 (第48回) 科学技術週間 (4月16日-22日) にあたり、文部科学省科学技術・学術政策局と (財) 科学技術広報財団は、「一家に1枚 宇宙図 2007」ポスターを、全国の小学校、中学校、高等学校に1枚づつ配布します。また、全国140館を超える配布協力科学館を通じて、この期間に訪れた一般見学者に一定部数を配布します。
このポスターの制作は、 (社) 日本天文学会・天文教材委員会と協力研究者の監修の下、天文学とプラネタリウム (略称:天プラ) (※) 、国立天文台有志、デザイナー、コピーライター等で組織された「一家に1枚 宇宙図 2007」制作委員会によって7ヶ月に渡り進められました。
「一家に1枚 宇宙図 2007」は、「一家に1枚 周期表」、「一家に1枚 ヒトゲノムマップ」に続く、「一家に1枚」シリーズポスター第3弾として制作されました。このシリーズの制作方針は、大人になっても読んでもらえるよう長きに渡って部屋に掲示して楽しめる内容であることです。
今回のポスターの狙いは、宇宙に対して興味を深める機会を多くの方に提供すると同時に、宇宙の新しい楽しみ方を広く提案することです。人間と宇宙の関わりや、元素や分子の起源、宇宙の歴史や構造など、誰もが一度は気になる宇宙の謎について、最新の天文学が到達した現在の成果をしっかり盛り込むことにしました。一読すると難解に見えますが、ぜひ、じっくりと時間をかけて読んでみてください。
ポスターの中心に描かれている宇宙図は、「宇宙が生まれたから元素が生まれ、そこから人間が生まれ、そして科学が生まれた」ことを物語っています。今まで、空間的にも時間的にも膨大で実感しにくい宇宙を一枚の図で表現することは不可能と思われてきました。なぜなら、宇宙は今ある空間の3次元に、時間軸を加えた4次元で表現しなければならないからです。この宇宙図は、宇宙の歴史に関する表示と宇宙の広がりに関する表示を、科学的に1枚の図で示すことに挑戦しました。また、階層的な表示の工夫と解説内容の厳選によって、興味を持った子どもから大人までがじっくり読んで楽しめる (かめばかむほど味が出る) ようなポスターを目指しました。
「一家に1枚 宇宙図 2007」ポスターは、科学技術週間のホームページから自由にダウンロードして利用することができます。また、 (財) 科学技術広報財団を通じて実費 (A1版が200円、A2版が100円) で入手可能です。科学技術週間中には、このポスターに関連した様々なイベントも行われますので、お楽しみください。
※:国立天文台等で天文学を専攻する学生、科学館スタッフ、および天文学の普及に興味のある研究者等が集う任意団体 (http://www.tenpla.net)
2007年4月13日 国立天文台・広報室