マックノート彗星(C/2006 P1)が、太陽に近づいて明るくなっています。
この彗星は、オーストラリアのマックノート (R. H .McNaught) が、昨年の8月に発見した彗星です。発見時の明るさは17等級と暗い彗星でしたが、その後、どんどん近づき、1月12日19時 (世界時) には、太陽に0.17天文単位にまで近づいて、金星なみに輝くことが予想されています。すでに数日前から、薄明中の超低空でベテランの天文マニアの方々によって明るくなった姿が観測されています。
最も太陽に近づき、明るくなった姿は、太陽のすぐそばなので、眺めることはできません。しかし、太陽を監視している太陽観測衛星 SOHO (Solar and Heliospheric Observatory) のコロナグラフで、その視野内を通過します。その様子はリアルタイムでインターネット上で公開される予定です。日本時でこの12日夜から16日朝にかけて、近日点通過の前後のマックノート彗星の姿をインターネット上の公開画像で楽しむことができそうです。詳細は、太陽観測衛星 SOHO のウェブサイトをご覧ください。
なお、マックノート彗星は、近日点通過後、ふたたび太陽から離れるのですが、残念ながら南の空に移動してしまうため、日本などの北半球からは見えないと考えられます。
2007年1月12日 国立天文台・広報室