「惑星」の定義、総会での議論続く

 16日付けのアストロ・トピックスでお知らせしたように、惑星の定義について国際天文学連合では議論が続いています。18日午後に開催された第三部会では、太陽系や惑星科学を専門とする天文学者だけでなく、国際天文学連合の会長を始め、評議員会の面々も出席し、16日に示された提議案を中心にホットな議論が繰り広げられました。案に対する批判も多く、軌道の側面や天体力学的な側面からの定義をすべき、あるいは絶対等級で決めるべき、さらにはもっと単純に大きさと形だけで決めるべき、という様々な意見が披露されました。もともとの案では平衡形状という、子どもにとっては難解な概念を使っていることも批判の対象となりました。

さらに pluton という新しい分類名にも批判が集まりました。16日の公表以来、外部の地質学者からも pluton は別の意味で使っているので、混乱するという声が寄せられています。また pluton は、一部の言語では実質的に plutoと同じだ、という批判もありました。 plutoid あるいは dwarf planet を使うべきであるという声もありました。(非公式な挙手による意向調査では、pluton を使うことに反対の人が圧倒的多数でした。)  さらには、「そもそも定義など必要ないのでは」という意見まで飛び出し、全く予断を許さない状況となっています。

これらの議論を受け、評議員会は総会(24日開催、日本時間では25日未明)への提議案の改訂作業に入っています。

参照

2006年8月21日         国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)