石垣島では、2002年から毎年「南の島の星まつり」が開催され、また今年4月には、国立天文台がVERA観測所に続き、石垣島天文台を完成させたことで、市民の星空への関心が高まってきています。
このことから、石垣市(大浜長照市長)は、石垣島の星空をとおして、石垣島の星空と自然を大切にする心、古くからの星文化などを子どもたちに伝えていこうと「星空宣言」の検討を学識経験者などによる検討委員会で進めてきました。その結果、先日7月29、30日に開催された「2006南の島の星まつり」会場で、以下のような「いしがき島星空宣言」制定が発表され、沖縄こども環境大臣の赤山紗耶さん(白保中学3年)によって読み上げられ、披露されました。
いしがき島星空宣言 わたしたちのふる里いしがき島は、豊かな自然に恵まれています。 満天の星も、わたしたちの祖先に恵みをもたらしました。 人々は、星の動きで時の移ろいを知り、稲や粟の種をまき、 くらしを育んできました。 星にまつわる民話(はなし)や古謡(うた)も多く、いしがき島は、 星文化の宝庫といえます。 わたしたちの住むいしがき島は、北緯24度20分に位置し、 全88星座のうち、84の星座を観察することができます。 南十字星も宝石のごとくきらめいています。 わたしたちは、満天の星空を大切にし、いしがき島の未来を担う 子どもたちに伝えたい。 地球のどこかで同じように星空を見上げる人々と想いを交わしたい。 何よりこの地球という星を大切にしたいと強く願いをこめて ここに、いしがき島星空宣言をします。 一 見上げよう、満天の星を。 一 伝えよう、星の文化を。 一 大切にしよう、美しい星空を。 一 未来へ残そう、豊かな自然を。 平成18年7月29日 石 垣 市
また、この宣言発表について、さっそく日本天文学会理事長・祖父江義明さん、西はりま天文台公園長・黒田武彦さん(日本公開天文台協会会長)からお祝いのメッセージが届けられ、星まつりの観望会会場や記念講演会会場で参加者に配布され、また読み上げての紹介がされました。
石垣市では、この宣言発表を契機に、今後は星空を守るために、市民や観光客に八重山諸島の星空文化を広報普及するとともに、街灯の照明を工夫するなど星空をまもる呼びかけをはじめることにしています。
※おことわり:
石垣市市長のお名前の2文字目は、正しくは「浜」の異体字ですが、パソコンの環境によっては表示できないことがありますので「浜」の字を使っています。
2006年8月4日 国立天文台・広報室