石垣島天文台望遠鏡の愛称決定

 去る3月12日、沖縄県石垣市で、石垣島天文台の完成記念式典が開かれました。式典では、石垣島天文台に設置された105センチメートル光学赤外線望遠鏡の愛称が発表されました。一般の皆様にご応募いただいた中から、最優秀賞として愛称に採用されたのは、沖縄県石垣市真栄里の南風原 英和さんの「むりかぶし」です。「むりかぶしは『群星』、つまり”すばる”のことで、国内で一番多く星が見える八重山らしい名称」が、愛称に添えられた応募理由です。

 望遠鏡の愛称募集には、1月10日から2月10日までの応募期間内に、全国から1294件のご応募がありました。選考委員会では、まず、募集要項にあった「星文化のふるさと石垣島や八重山諸島にふさわしいイメージのもの」「九州・沖縄では最大の口径105センチメートルの望遠鏡をイメージするもの」「子どもから大人まで楽しみながら宇宙について学べる望遠鏡をイメージするもの」「未来への明るい展望を感じさせ、親しみやすく覚えやすいもの」という内容にふさわしいものを選びました。

 その結果選ばれた愛称は、「石垣島という場所」「105センチメートルという大きさ」「望み・夢・希望といった、星から受けるイメージ」「美ら星という星の美しさ」「石垣島で見える天の川」「八重山諸島でしか見えない南十字星」「生活に定着してきた群星に関わるもの」に大別されました。これは、星に対するイメージと同様に、石垣島・八重山諸島に抱いているイメージが全国的にも共通していることをうかがわせ、たいへん興味深いものです。

 その中からさらに、八重山の星文化を代表するもので、表記・語感がよく、ことばとしても普及・定着が予想できるものを選び、以下のように「最優秀賞」「優秀賞」「佳作」が決定されました。

最優秀賞むりかぶし沖縄県石垣市真栄里 南風原 英和 さん
優秀賞にぬふぁぶし
(北斗七星の意味)
沖縄県石垣市新川  しまじり そよぎ さん
てぃんがーら
(天の川の意味)
沖縄県石垣市大川  花城 勤子 さん
佳作ちゅらぼし愛知県名古屋市   田中 文子 さん
まえせ105福岡県行橋市    石田 明 さん
きらら沖縄県竹富町黒島  宮良 もも子 さん

 石垣島天文台は、4月より一般公開が始まり、学校の授業での活用も予定されています。

参照

2006年3月16日            国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)