ハワイ島「イミロア天文学センター」に4D2Uシアター完成

 国立天文台4次元デジタル宇宙(4-Dimensional Digital Universe; 略称4D2U)プロジェクトでは、天体や天体現象を空間3次元と時間1次元の4次元で可視化するために、4次元可視化実験システム「4D2Uシアター」を開発しています。天文学の対象である宇宙の空間スケールと時間スケールは莫大です。そして、さまざまな空間スケールで、それぞれの構造があり、その空間スケールに対応した時間スケールで変化しています。

 4D2Uプロジェクトでは、そのような宇宙の構造と進化を描きだし、文字通り「目のあたり」にすることを目指しています。ここで科学的に正しく描き出された最新の宇宙像は、研究支援や教育・広報普及に広く役立てられています。

 今回、米国ハワイ州ハワイ島に完成した「イミロア天文学センター('Imiloa Astronomy Center of Hawai'I)にも4D2Uシアターが完成し、ハワイ島を訪れる世界中からの見学者に見て頂けることになりました。このシアターは三鷹キャンパスにある3面スクリーンの4D2Uシアターと同じものです。135度で組み合わされた1.8メートル四方の3面のスクリーンにより、広がりと没入感のある宇宙映像を体感することができます。

 今回4D2Uグループは、イミロア天文学センター用に特別に新しいプログラム "The 4D2U Voyage through Space" を製作しました。これはセンターのあるハワイ島ヒロ市から始まり、ハワイ諸島、地球、太陽系、銀河系、そして宇宙の果てまでを旅しながら、様々な天体の起源について最新のシナリオを紹介するというものです。宇宙の構造がどのようになっているか、そしてその構造がどのようにして形成されてきたかを迫力ある映像で楽しみながら理解することができると期待しています。約7分のプログラムで、英語版だけでなく日本語版、そしてハワイ語版もあります。

 イミロア天文学センターは、2006年2月20日(ハワイ時間)に開所式を行い、ハワイ島の住民や観光客の人たちに天文学とハワイの文化について楽しんでいただくことになります。

参照

2006年2月17日            国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)