鈴木さん、かみのけ座の銀河に超新星を発見

 千葉県山武郡大網白里町の鈴木章司(すずきしょうじ)さんが、超新星を発見 しました。

 鈴木さんは2月5日(日本時間)の明け方、口径317ミリメートル(焦点距離2857 ミリメートル、f/9)の反射望遠鏡に冷却CCDカメラを使って撮影した、かみのけ 座の渦巻銀河 NGC 4321 (= M100) に17等級の超新星を発見しました。この発見 は国立天文台の相馬充(そうまみつる)さんを通じて国際天文学連合に報告され ました。7日にはイタリアの M. Migliardi さんも15.3等級で独立に発見してい ます。

 この超新星は 2006X と命名されました。

 M. Migliardi さんの測定した、超新星の位置は、

赤経: 12時22分53.99秒
赤緯:+15度48分33.1 秒 (2000年分点)

です。

 2006X は NGC 4321 の銀河中心核から西に12秒、南に48秒はなれたところに 出現しました。

 鈴木さんは今年1月初旬から今月初旬にかけて、この銀河を観測していました が、先月観測したときの画像には超新星らしき天体は写っておらず、今月の観 測した画像には超新星が写っていました。

 なお、この超新星の明るさは2月8日(日本時間)現在、15.3等に達しており、 発見時に比べて増光しています。増光中に発見される超新星は珍しく、分光観 測など今後の追跡観測が期待されます。

 日本人による個人の超新星発見は昨年12月の市村さんの発見以来で、今年に 入り最初の発見となります。

M100 は、私たちに最も近い銀河団である「おとめ座銀河団」に属する渦巻 銀河です。この銀河には、これまでに4つの超新星が発見されており(1901年、 1914年、1959年、1979年)、星形成がかなり活発な銀河であると考えられます。 なお、M100はおとめ座銀河団に属してはいますが、星座境界線を越え、かみの け座の空域に属しています。

参照

2006年2月8日 国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)