国立天文台が進めているALMA計画の近況報告と、これから行われる一般向け講演会等についての案内をお送りします。最新情報についてはALMAのホームページ http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。
すでにALMAニュース2005年夏号で予告しましたが、熊本大学の佐藤毅彦(さとうたけひこ)氏を中心とするグループが開発した星座カメラ「i-CAN」の一つがALMAの山麓施設(標高約2900メートル)に設置され、このたび調整を終えて本格運用の運びとなりましたのでお知らせします。
星座カメラ「i-CAN」はいわゆる「望遠鏡」というよりは「(インターネット経由で上下左右に遠隔操作できる)高感度ウェブカメラ」です。対角線方向に70度の画角を持ち、肉眼で星座を観察するのに近い感覚を実現しています。多くの星座は一つ以上をまるごとすっぽり収めることができ、星座どうしの位置関係などもよく分かります。これを学校の授業などに取り入れれば、日本とALMA山麓施設(西経68度)との経度の違い(東経135度の明石との経度差203度は約13時間半の遅れに相当)を利用して昼間の授業中の星座観察が可能となります。また、日本では光害や天候不順のために普段目にする機会が乏しい美しい星空や、日本で見ることのできない南天の天体を自由に見せることもできます。南回帰線のほぼ真下の南緯約23度にあるALMAの山麓施設では、南十字星や大小マゼラン雲など日本ではなじみの薄い南天の天体を見ることができますし、天の川(銀河系)の中心も、頭の上までのぼってきます。現在チリは夏ですが、オリオン座など日本では冬の星座とされている星座が見えます(オリオン座など全て上下が逆さまに見えますが)。また、年間降水量はわずか数十ミリメートルしかないため、曇って星が見えないということもめったにありません。現地の9日未明(日本の同日午後)に行われたファーストライトでも、逆さまのオリオン座や南十字星がよく見えていました。
科学研究費補助金により開発された四つ子の星座カメラは、すでに運用を始めていた長女のヤーキス天文台(アメリカ・ウィスコンシン州)と今回運用を開始した次女のALMA山麓施設に加え、今年度中に南阿蘇ルナ天文台(熊本県)とローズマリー天文台(アメリカ・フロリダ州)にも相次いで嫁入り予定です。さまざまな助成金に支えられ開発・運用していますので、利用は無料です。i-CANの操作は、誰も使っていなければ(世界中の誰でも!)ゲストとしてすぐに始めることができます。しかも映像の閲覧自体はいつでも誰でも可能です。学校の教室や課外活動など教育現場での利用(それを主に期待して作られました)の場合は、事前予約を入れることで確実に利用時間を確保することができます。英語のホームページも整備される予定で、外国の人たちが現地の日中に熊本の星空を観察することも想定しています。ALMAのホームページからもリンクしますので、どうぞALMA建設場所の夜空をお楽しみください。
◎天文学普及講演会 「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMAでさぐる銀河と惑星系の誕生」 日時:2005年12月17日(土) 14:00〜16:00 場所:国立科学博物館 新館3F講義室 ◎第54回SISTサロン「電波で探る未知の宇宙 〜 ALMAプロジェクトの紹介 〜」 日時:2006年 1月27日(金) 18:00〜20:15 場所:静岡理工科大学 管理棟2階208号室 ◎科学ライブショー・ユニバース「南米からの星だより: ALMA計画」 日時:2006年 2月 4日(土) 14:30〜15:10、15:30〜16:10 場所:科学技術館 備考:ヤーキス天文台の星座カメラの設置に中心的な役割を果たした木村か おる氏が案内役を務め、ALMA推進室のスタッフとの掛け合いや、ALMA 山麓施設とヤーキス天文台の2つの星座カメラを使ったプログラムなど を予定しています。 ◎第8回ALMA公開講演会「(テーマ未定)」 日時:2006年 場所:福岡エリア: 詳細未定
※最新情報についてはALMAのホームページ http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。
※従来使われてきた URL=http://www.nro.nao.ac.jp/~lmsa/ は http://www.nro.nao.ac.jp/alma/J/ にこれから順次移行しますので、ブックマークの変更をお願いします。
2005年12月13日 国立天文台・広報普及室
『第4回 国立天文台公開講演会 太陽研究最前線 〜 「ようこう」から「SOLAR-B」へ 〜』参加者募集中 案内ページ http://www.nao.ac.jp/open_lecture/index.html 日時:1月29日(日) 午後1時30分〜4時30分 会場:科学技術館サイエンスホール ※参加者には、『2006年版国立天文台特製カレンダー』を差し上げます。
環境省我が家の環境大臣全国事務局より以下の案内をいただいております。 既に期間に入ってしまっておりますが、ご案内まで。 環境省エコファミリーウエブサイトでは、家庭での毎日の生活で楽しく快適 なエコライフのヒントとなる情報をご提供しています。 サイト内の「エコイベント」では、毎月全国のエコファミリーの皆が一定期 間、同一イベントに取り組み、その成果を集計する「エコイベント」を開催し ています。 第7回の今月は、「冬の星空を眺めよう」です。 実施期間は、明日12月09日から12月15日まで。 取り組み内容は、星空を眺めていた時間を、分単位で入力するものです。 ※参加は、エコファミリー登録後より行えます。登録無料です。 たくさんのご参加お待ちしております。 参照:エコファミリ−ウエブサイト http://www.eco-family.jp/ 登録 http://www.eco-family.jp/register/ エコイベント 第7回(12月09日〜12月15日)実施 http://www.eco-family.jp/practice/ecoevent_details.html?dno=7