佐藤さん、鈴木さん、新彗星を発見

 太陽観測衛星(SOHO)で観測されている太陽の画像はSOHOのウェッブページ上に公開されています。この画像からはこれまでにも多くの彗星が発見されてきました。

 8月24日、SOHOの観測機器のうち太陽風異方性検出装置(Solar Wind Anisotropies; SWAN)による8月の画像の中に、福島県須賀川市の佐藤裕久(さとうひろひさ)さんと栃木県宇都宮市の鈴木雅之(すずきまさゆき)さんが新彗星 C/2005 P3 (SWAN)を発見しました。海外でも何人かがSOHOのウェッブページ上の画像から、この彗星を発見しています。

 この彗星は、アメリカ・ニューメキシコ州クラウドクラフトのヘール(A. Hale)さんによって、25日に10.5等の明るさで眼視観測で確認されました。また、台風11号の通過後の26日夜、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんもこの彗星を確認しました。門田さんのCCDによる観測では11等級の明るさです。

 なお、鈴木さんは2002年7月のSOHO/SWANの画像からも新彗星を発見されています(国立天文台・天文ニュース (572))。

※SOHO
Solar and Heliospheric Observatory; 太陽観測衛星
ESA(European Space Agency; ヨーロッパ宇宙機関)とNASA(National eronautics and Space Administration; アメリカ航空宇宙局)の共同により1995年に打ち上げられたもの
SWAN
Solar Wind Anisotropies; 太陽風異方性検出装置
太陽風に関係して生ずる水素原子のライマン・アルファ線を観測する装置

参照

2005年8月31日    国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)