さる、7月13日から15日にかけて、兵庫県立西はりま天文台公園で開かれていた「第14回 全国の天体観測施設の会」において、『日本公開天文台協会』の発足が決まりました。
公開天文台の発展と、職員の資質の向上や交流を深めるとともに、天体を通して豊かな人間性の育成をになう生涯学習の充実をめざすことを目的としています。
日本の公開天文台の歴史は古く、1926年に設立された財団法人 倉敷天文台にまで遡ります。自治体の公開天文台は1955年に設立された仙台市天文台が最初で、富山市、札幌市などが続きましたが、それはごく限られたものでした。 その数が飛躍的に増加し始めたのは1980年代からで、今では、世界に類例のない300施設以上を数えます。また全国の都道府県のすべてに分布しており、地域住民にとっても身近な存在になりつつあります。
しかし、しっかりとした運営基盤とノウハウの蓄積がないまま、施設だけが急増し、互いの連携がなかったため、1992年、公開天文台どうしの情報交換や交流を促進するために「全国の天体観測施設の会」が結成され、毎年1回、各地の公開天文台を会場に、研究発表や情報交換が行われてきました。
昨今の生涯学習施設を取り巻く環境は厳しさを増すばかりで、より一層の連携を図るべく数年来組織化が検討されてきました。
「日本公開天文台協会」は、観測設備をもち、天体観望会などの公開業務を行っている施設およびその施設に携わっている人なら誰でも参加でき、それ以外の人でも賛助会員として参加することができます。会費や事業については新しい役員で決定されますが、当面は全国の公開天文台の実態を調査し、『公開天文台白書』をつくる作業にとりかかることになっています。
日本公開天文台協会の英語名は “Japan Public Observatories Society (JAPOS)”. 事務局は兵庫県立西はりま天文台(0790-82-3886)におかれます。
2005年7月25日 国立天文台・広報普及室
※この情報は、日本公開天文台協会 会長 黒田武彦(くろだたけひこ)さんからいただいた情報を元に作成しました。