新星が続々と出現

著者 :山岡均(九大理)

夏の天の川が明け方の空に見られるようになり、新星が続々と発見される季節となりました。先週のへびつかい座の新星に引き続いて、さそり座に出現しています。発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやま こういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしま ふじお)さんのチームで、これまでにも多数の新星を発見してきた捜索者です。

彼らは2月20.857日(世界時、以下同様)に撮影した画像上で、10.5等級の新しい光点に気付きました。翌日、40cm望遠鏡で確認撮影した画像から求めた新天体の位置は、

赤経  17時06分07.53秒
赤緯 -37度14分27.4秒  (2000年分点)

で、同位置には18等より明るい天体はない、とのことです。茨城県つくば市の清田誠一郎(きよたせいいちろう)さんは、オーストラリアのリモート望遠鏡を使ってこの天体の多色測光を行ない、この天体がかなり赤いことを報告しています。星間吸収を受けた新星なのか、今後の分光観測などが待たれます。

参考文献:

2010年2月23日

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