板垣公一さん、NGC 4617に超新星2005abを発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

山形県にお住いの板垣公一さんは、昨年6個の超新星を発見(独立発見を含む)するなど、たいへん活躍されている天体捜索者です。その板垣さんにとって今年初めての超新星発見が公表されました。

超新星が出現したのは、りょうけん座の銀河NGC 4617で、渦巻銀河を横から見た形をしています。板垣さんは、2月5.638日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、16.7等級の新しい光点を見いだしました。超新星の位置は、

赤経: 12時41分05.18秒
赤緯:+50度22分56.2秒(2000年分点)

で、銀河の中心から西に7秒角、南に40秒角のところになります。天体の存在は、埼玉県の門田健一さんによって同夜に確かめられ、また翌夜には板垣さん自身が確認しています。この間、超新星の明るさは特に変わっていません。発見前の観測から、少なくとも爆発1か月以内と考えられますが、くわしいことは今後の分光観測を待ちます。

板垣さんは、冬の良い空を求めて、今シーズンから栃木県に新しい観測所を開設しました。今回の超新星は、新しい観測所での最初の発見となります。今後の活躍が期待されます。

参考文献

2005年2月7日

なお、vsolj-news 134で紹介したSN 2005Wは、海外の観測で、極大前のIa型超新星であるとわかりました。今後しばらく、太陽に近くなるまで、14等級台で見えるものと思われます。

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