小林さん、NGC 4846 銀河に超新星を発見

 群馬県大泉町の小林隆男 (こばやしたかお) さんは、2008年12月31日 (世界時、以下同じ) の観測から、15.7等の超新星を発見しました。この超新星は、りょうけん座方向にある NGC 4846 銀河の中にあり、口径41センチメートルの反射望遠鏡 (f/4.3) を用いたCCD観測 (限界等級18.5等) により撮影された複数枚の画像の中から発見されました。

 この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2008ip」と命名されました。

 この天体の発見日時、位置、発見等級は次の通り。

発見日時 2008年12月31.75日前後 = 12月31日18時00分前後 (世界時)
赤経 12時 57分 50.20秒
赤緯 +36度 22分 33.5秒 (2000年分点)
発見等級 15.7等

 この超新星は NGC 4846 銀河の中心から東に30秒角、北に18秒角離れた位置にあります。小林さんは発見の翌日の2009年1月1.627日にもこの天体を観測し、発見時よりもわずかに明るい15.5等になっていたことも報告しています。

 小林さんは、2003年2月27日と2004年1月1日と2006年1月2日にこの場所を観測していましたが、そのときの画像 (限界等級は18.5等) には、この天体は写っていませんでした。

 埼玉県上尾市の門田健一 (かどたけんいち) さんと山形県山形市の板垣公一 (いたがきこういち) さんは、それぞれ2009年1月1.736日と1.741日にこの天体のCCD観測を行い、この天体の明るさがそれぞれ15.6等と15.8等であったことを報告しています。

 また、モスクワ (ロシア) の D. Denisenko さんらは口径8センチメートルの屈折望遠鏡 (f/7.5) で1月2.03日にこの天体を観測し、明るさが16.1等であったことを報告しています。

 小林さんは、過去に多数の小惑星を発見している熱心なアマチュア天文家として知られています。1997年には周期彗星 P/1997 B1 (Kobayashi) を発見し、翌年に日本天文学会から天体発見賞を受賞しています。

参照:

2009年1月3日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)