長谷田さん、たて座に再び新星を発見

 さる9月30日、たて座に新星を発見したばかり(国立天文台 アストロ・トピックス(148))の愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さんが、再び同じたて座に10.6等級の新星を独立発見されました。

 この発見は、九州大学の山岡均(やまおかひとし)さんを通じて、国際天文学連合に独立発見として報告され、「2005年たて座第2新星(V477 SCUTI = NOVA SCUTI 2005 No. 2)」と命名されました。

この新星を最初に発見・報告したのは、チリのラス・カンパナス天文台に置かれたASAS-3自動撮像システムです。10月7.055日(世界時、以下同様)の画像では14等級(V等級)より明るい天体は見当たらなかったところに、11.026日には12.0等級(V)、13.066日には10.4等級(V)と、増光した天体を検出しました。長谷田さんは、焦点距離400ミリメートル(f/4.0)の望遠レンズで得られた写真上で、13.419日に10.6等級になった、この新星を見いだしました。長谷田さんが測定した天体の位置は、

赤経: 18時38分44秒
赤緯:-12度16分25秒 (2000.0年分点)

です。岡山県の藤井貢(ふじいみつぐ)さんが16.43日に行った分光観測によると、水素原子の放つ幅の広い輝線などが観測されており、古典的な新星の初期段階であることがわかりつつあります。

 長谷田さんは、これまでも新星を発見してきたベテラン観測者で、これが通算6個目の新星発見となります。

参照

2005年10月19日    国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)