10月17日は満月です。東京では16時52分に月が東の空から昇ってきますが、この日に部分月食が起こります。
月食とは、月が地球の影に入る現象で必ず満月の時に起こります。今回の月食では、満月は地球の影(本影)の北側をかすめるように通り過ぎていくので、食分(影に隠れる比率)がほんの僅かな 0.068 という部分月食になります。この月食は日本全国で見ることができます。
月食は日食とは違い、月食が見られる場所では何処でも、月食の進行に時間差は殆どありません。欠け始めは20時34分からです。この時の月の高度(地平線から見上げた高さ)は、東京では43度、札幌では41度、福岡では37度と充分に見易い高さで始まります。食分がとても小さいので、最も大きく欠けるのは、約30分後の21時3分、終るのは更に30分後の21時33分です。全経過が僅か1時間で終わってしまいます。
肉眼でも欠けている様子は判るのですが、食分が小さいので、双眼鏡や望遠鏡で見ると更に判り易いでしょう。
部分月食中の月の左下方には、地球接近中の赤い火星が見えています。印象的な眺めになるかもしれません。
2005年10月13日 国立天文台・広報室