高尾さん、中村さん、へびつかい座に新星を発見

 福岡県北九州市にお住いの高尾明(たかおあきら)さんと、三重県亀山市にお住まいの中村祐二(なかむらゆうじ)さんが、へびつかい座に新星を発見し、へびつかい座新星V2574(V2574 Oph)と命名されました。

 高尾さんは、4月14.80日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像から、また中村さんは4月14.78日に撮影した写真上から、それぞれ独立に発見したものです。どちらも新星発見のベテランで、高尾さんは昨年の7月に同じへびつかい座新星(へびつかい座V2573)を発見(国立天文台・天文ニュース(660))、また、中村さんは、つい一月前の今年3月にいて座に新星(V5114 Sgr)を発見しています(国立天文台・天文ニュース(705))。

 高尾さんの発見は九州大学の山岡均(やまおかひとし)さんを通じて、中村さんは国立天文台新天体情報室を通じて国際天文学連合へ報告されました。

 天体の位置は、山形県の板垣公一(いたがきこういち)さんの測定によると、

赤経  17時38分45.49秒
赤緯 -23度28分18.5 秒  (2000年分点)

で、へびつかい座の南端近く、いて座の三裂星雲や干潟星雲の西側になります。

過去の観測データによると、発見3日前には、この位置に天体は有りませんでした。16日に行われたチリ・セロトロロ天文台の1.5メートル望遠鏡による観測から、この新星はちょうど極大期にさしかかったところで捉えられた可能性が指摘されています。いずれにしろ、貴重な発見といえるでしょう。

参照

2004年4月19日            国立天文台・広報普及室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)