【転載】VSOLJニュース(081)

明るい超新星2022aoが発見される


著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

IAUC 7809に報じられたところによると、Lick天文台の自動撮像望遠鏡(KAIT)が明るい超新星を発見しました。先日VSOLJニュース79でお知らせした超新星2002anをしのいで、今年これまでで最も明るいものです。もしこれがIa型超新星であれば、極大で13.4等程度となることが期待されます。

超新星が出現した銀河は、おとめ座の東部にあるUGC 9299という渦巻銀河です。超新星の位置は、赤経14時29分35.74秒、赤緯-0度00分55.8秒(2000年分点)で、銀河の中心核から東に16秒角、北に10秒角にあたります。銀河円盤の外縁部に重なって見えます。周囲に超新星と見紛う星は特にありません。この銀河の東南東1分角、南1.5分角のところに小さい銀河がありますが、ずっと遠方のものです。

この銀河は、後退速度が1500km/sほどで、かなり近傍の銀河です。おとめ座の西部にある有名なおとめ座銀河団よりはやや遠いですが、倍までは行きません。UGC 9299の周囲5度以内には、似たような後退速度の銀河がたくさんあり、緩い銀河集団を形成していることが見込まれます。この速度がハッブルの法則を反映したものとすれば、この銀河でのIa型超新星の極大等級は13.4等ほどと予想されます。今後の光度測定と型判別が切望されます。

2002年 1月28日

この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJの速報メーリングリストにご加入いただくと便利です(お申し込みは vsolj-adm@ooruri.kusastro.kyoto-u.ac.jp まで)。
なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]