【転載】国立天文台・天文ニュース(606)

新彗星は工藤・藤川彗星に

　天文ニュース (605)でお伝えした新彗星2002 X5ですが、香川県三豊郡大野原町の藤川繁久(ふじかわしげひさ)さんも独立発見をしており、工藤・藤川彗星(COMET C/2002 X5 (KUDO-FUJIKAWA))の呼称が与えられました。

　藤川さんは12月14日午前5時35分に口径16センチメートル反射望遠鏡で発見しています。この内容は国立天文台の渡部潤一(わたなべじゅんいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告されました。

　公表された軌道要素は以下の通りです。

　　　　　　近日点通過時刻 = 2003 Jan. 28.776 TT
　　　　　　近日点距離　　 = 0.18485 天文単位
　　　　　　離心率　　　　 = 1.0

　　　　　　近日点引数　　 = 188.205度
　　　　　　昇交点黄経　　 = 119.389度   (2000.0)
　　　　　　軌道傾斜角　　 =  94.431度

　2003年1月中旬に肉眼彗星になりそうです。

　藤川さんは彗星観測のベテランで、これまでに8個の彗星を独立発見しています(*)。また、既報の彗星であったため独立発見としては認められなかった彗星も多く発見しています。

参照

• IAUC 8033(Dec. 16,2002).
• MPEC 2002-Y14.

(*) 国立天文台 広報普及室の資料による

2002年12月15日 国立天文台・広報普及室

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