【転載】国立天文台・天文ニュース(596)
国際天文学連合(IAU)は、10月22日、木星を周回する軌道を持つ衛星のうち、仮符号だけがつけられていた11個に対して、固有の名前がつけられたことを発表しました。
このうち、S/1999 J1は、アリゾナ大学のスペース・ウォッチ・プログラムによって1999年10月から11月にかけての観測で発見されたもので、残りのS/2000 J1からJ10は、ハワイ大学のシェパードらによって2000年の11月から12月にかけての観測で発見されたものです。
S/1975 J 1は、1975年にヘール天文台コワルによって一度は発見されていたのですが、その後行方がわからなくなっていました。しかし、2000年に発見されたS/2000 J 1の軌道を過去に向かってさかのぼって計算したところ、長い間行方不明だったS/1975 J 1と同じ天体だということがわかったのです。
この命名により、木星の衛星で名前のついたものは27個となりました。
木星には全部で39個の衛星が見つかっていますが、残り12個の衛星には、まだ名前がつけられていません。
以下の一覧が、新しい衛星名です。
番号 | 衛星名 仮符号 |
---|---|
Jupiter XVII | Callirrhoe = S/1999 J 1 |
Jupiter XVIII | Themisto = S/1975 J 1 = S/2000 J 1 |
Jupiter XIX | Magaclite = S/2000 J 8 |
Jupiter XX | Taygete = S/2000 J 9 |
Jupiter XXI | Chaldene = S/2000 J 10 |
Jupiter XXII | Harpalyke = S/2000 J 5 |
Jupiter XXIII | Kalyke = S/2000 J 2 |
Jupiter XXIV | Iocaste = S/2000 J 3 |
Jupiter XXV | Erinome = S/2000 J 4 |
Jupiter XXVI | Isonoe = S/2000 J 6 |
Jupiter XXVII | Praxidike = S/2000 J 7 |
2002年10月31日 国立天文台・広報普及室
注:衛星の名前の読み方は未確認です。