【転載】国立天文台・天文ニュース(593)

土井さん、超新星を発見


 アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンの土井隆雄(どいたかお)さんが、超新星(SN 2002gw)を発見しました。

 日本人宇宙飛行士として有名な土井さんが、「ろ座」の北部にある銀河 NGC 922 に超新星を発見しました。30センチメートル反射望遠鏡にフィルター無しのCCDカメラを使い発見しました。この超新星は SN 2002gw という符号が付いています。

 この超新星の位置(土井さんの報告による)は、

         赤経   2時25分02.97秒
         赤緯 -24度47分50.6 秒   (2000.0)

で、NGC 992の心から西に21秒、南に33秒の位置にります。

 南アフリカ・プレトリア(Pretoria)のL. A. G. モナード(Monard)さんも独立に発見しています。彼の観測では赤経2時25分02.97秒、赤緯 -24度47分51.9 秒。

 明るさは、9月12.052日(世界時): 18.5等(モナード)、10月13.27日(同): 17.3 等(土井)、 15日(同): 17.3等 (土井)、16.027日(同): 17.6 +/-0.3等 (モナード)、 16.832日(同): 17.6等 (モナード)と報告されています。

 土井さんは日本人宇宙飛行士として有名ですが、昔からのアマチュア天文家として観測いろいろな天体を観測していました。

 土井さんは11年前から超新星の観測をはじめ、今回のこの発見に至りました。

 今回超新星を発見した観測所は、土井さんが2年ほど前にテキサス州ワイマー(Weimar)に建てたスター・リッチ観測所での発見です(ヒューストンから車で2時間ほどの距離にあるそうです)。

 また、土井さんは今年の7月にアストロフィジック(Astrophysic; 天体物理学)で修士号を取得されています。

参照

2002年10月19日 国立天文台・広報普及室

注:このニュースの IAUC 7995 以外の情報は、たまたまヒューストンで開かれている、この発見の発表が行われた COSPAR (Committee on Space Research;宇宙空間研究委員会)に参加している、渡部潤一(わたなべじゅんいち)さんからの情報に依ります。

「スター・リッチ」観測所の正確な綴りは不明です。また、距離なども不正確ですので、ご注意ください。


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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