【転載】国立天文台・天文ニュース(580)
国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」は、ハワイ島マウナケア山頂にある大型光学赤外線望遠鏡です。天体の光をはじめて望遠鏡に通すファーストライトを1998年12月に迎えてからこれまでに、神秘的な惑星状星雲や宇宙の果て近くにある爆発銀河の姿をとらえるなど、さまざまな成果をあげています。
ハワイ島ヒロ市にあるハワイ観測所の山麓施設 (ヒロオフィス) では、およそ70名のスタッフが勤務しています。富士山よりもはるかに高い標高4,205メートルのマウナケア山頂の気圧は、平地の60パーセントしかありません。そのため通常の研究活動や事務処理は、この山麓施設で行われているのです。
このたび、山麓施設に「山麓施設ビジターギャラリー」を公開いたしました。緑豊かな中庭を利用した「屋外ギャラリー」には、すばる望遠鏡の建設の歴史や望遠鏡の構造を説明する展示パネルのほか、山麓施設から見た世界各国の都市までの方位と距離を示した道標が設置されています。また「ビジタールーム」内には、すばる望遠鏡とマウナケア山頂の模型に加え、すばる望遠鏡による最新の成果を解説するパネルを展示しました。
すばる望遠鏡自体の公開については、現在計画中です。晴天が多い、夜空が暗い、大気が安定しているなどの条件から、マウナケア山頂は天文学の観測を行う上で、とても優れた場所です。しかし標高が4000メートルを超える高山であることから、人間にとって山頂はとても過酷な環境といえます。そのため16歳未満の方や体の調子が悪い方の登頂は、お勧めしておりません。
山麓施設ビジターギャラリーは、どなたでも すばる望遠鏡や天文学に触れていただける場所として、今後もアップグレードしていく予定です。山麓施設ビジターギャラリーに関するお問い合わせは、ハワイ観測所広報室の電子メールアドレス(= pub@SubaruTelescope.org)までお願いいたします。
2002年9月12日 国立天文台・広報普及室
注:この天文ニュースは、国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)広報担当の布施哲治(ふせてつはる)さんにいただいた文章で作成しました。
訂正:国立天文台・天文ニュース (578)、「美星天文台・ガンマ線バーストGRB020813の残光の観測に成功」の文中「GRB020813」が「GRB020819」となっている部分がありました。お詫びして訂正いたします。
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