【転載】国立天文台・天文ニュース(559)
新光電子株式会社は、すばる望遠鏡の主鏡支持機構に利用されている音叉(おんさ)センサ技術を開発したことで、第27回発明大賞を授賞しました。発明大賞は、財団法人日本発明振興協会と日刊工業新聞社より、優れた研究開発の成果を上げた中堅・中小企業の研究者や技術者に贈られる賞です。
新光電子株式会社が開発した「音叉式センサ」は、重さに反応して振動する音叉と、振動数を重さに変換する音叉センサと呼ばれるデジタル読み出し装置の二つからなります。これらのセンサは、すばる望遠鏡がどの方角を向いても、主鏡を同じ形状を保つ機構である261本のアクチュエーターの心臓部になっています。センサを開発した小林政明(こばやしまさあき)さんは、「電子はかりのために開発したセンサが、すばるのような国際的レベルの望遠鏡に利用されることに、最初は驚きました。長期間の安定性と高い精度を持つ私たちの装置が認められたことは、研究者としてとてもうれしいことですね」と話しています。
宇宙開発事業団の宇宙飛行士・若田光一(わかたこういいち)さん が、さる5月16日に国立天文台ハワイ観測所の山麓施設を訪問され、唐牛宏(かろうじひろし)ハワイ観測所長 とすばる望遠鏡の成果や今後の宇宙開発について歓談を行ないました。
若田さんには、ハワイ観測所広報室のインタビューに、「近況」、「今後の予定」や「すばる望遠鏡への期待」をお聞かせいただきました。
2002年6月28日 国立天文台・広報普及室