【転載】国立天文台・天文ニュース(260)

天王星に新衛星


 アリゾナ大学、月惑星研究所(Lunar and Planetary Laboratory)のカルコシュカ(Karkoschka,E.)は、天王星に、これまで知られていなかった新衛星を発見したと発表しました。

 この衛星は、1986年1月18日から23日にかけてボイジャー2号探査機が撮影した7枚の画像から、ノイズレベルの3倍から15倍の信号として検出したものです。このときボイジャー2号は天王星に接近中で、新衛星はボイジャーから見て6.5等から9.5等の明るさであったと思われ、この明るさを地球から見れば、天王星が衝のときに約23.6等となります。反射率をその他の衛星と同程度と仮定しますと、新衛星の直径は40キロメートル程度と推測されます。また、円軌道を仮定しますと、この衛星は天王星から7万6000キロメートル離れたところを公転していることになります。

 この新衛星にまだ名前はつけられていませんが、認識符号は S/1986 U10 です。天王星には、これまで15個の衛星が知られていました。地上観測で発見されていた5個と、探査機が発見した10個です。したがって S/1986 U10 は天王星の16番目の衛星になります。探査機が発見した天王星の衛星には、ジュリエット、コーデリアなど、シェクスピア劇の女性の名が付けられています。この衛星にも、多分その線に沿った命名がおこなわれるのではないでしょうか。、

参照

1999年5月20日           国立天文台・広報普及室


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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