【転載】国立天文台・天文ニュース(255)
月惑星研究所(Lunar and Planetary Laboratory)のスパー(Spahr,T.B.)は、口径41センチのシュミット望遠鏡+CCDによって、カタリナ・スカイサーベイ(Catalina Sky Survey)を実施中、3月23日、「おとめ座」に、見かけは恒星のようですが異常な運動をしている天体を、プログラムによって自動検出したと報告しました。明るさは核光度が18.3等という非常に暗いものです。スパーは4月16日、17日にもこの天体を観測し、その結果から、マースデン(Marsden,B.G.)は、その天体は長周期の彗星であろうと推定しました。さらに、スペースウォッチ観測によって、3月13日にもこの天体が観測されていたことがわかつて、新彗星と認定され、認識符号は C/1999 F1 となりました。通称はカタリナ彗星です。カタリナ1.5メートル望遠鏡によって、直径8-10秒の暗いコマが観測されています。
その後の観測も含めて求められた暫定放物線軌道要素と予測位置は、小惑星電子回報(MPEC)によると、つぎの表のとおりです。近日点距離が5天文単位以上もあり、地球から明るく見えることはありません。
近日点通過時刻 = 2002 Feb.13.883 TT 近日点引数 = 254.994度 昇交点黄経 = 20.036度 (2000.0) 近日点距離 = 5.80301 AU 軌道傾斜角 = 92.160度 日付 赤経(2000.0)赤緯 地心距離 日心距離 太陽離角 核の明るさ 1999 時 分 度 分 AU AU 度 等 Apr.22 13 6.80 - 8 21.4 8.111 9.093 167.1 19.0 May 2 13 1.71 - 8 19.1 8.114 9.045 156.2 19.1 12 12 56.94 - 8 18.3 8.147 8.996 145.4 19.2 22 12 52.67 - 8 19.6 8.206 8.948 134.8 19.2 June 1 12 49.01 - 8 23.7 8.288 8.900 124.4 19.3 11 12 46.03 - 8 31.0 8.387 8.852 114.2 19.3 21 12 43.79 - 8 42.0 8.499 8.804 104.2 19.4 July 1 12 42.29 - 8 56.8 8.619 8.756 94.4 19.4 11 12 41.53 - 9 15.5 8.740 8.709 84.9 19.4 21 12 41.47 - 9 38.1 8.859 8.661 75.5 19.4
参照
1999年4月22日 国立天文台・広報普及室
お知らせ:つぎの木曜(4月29日)は国民の祝日に当たりますので、天文ニュースの発行は休ませていただきます。このつぎは5月6日に発行の予定です。