【転載】国立天文台・天文ニュース(244)
新彗星 C/1999 E1 が発見されました。この彗星はリック天文台超新星捜索プロジエクトとして、カリフォルニア大学が実施している超新星捜索観測の過程で発見されたものです。このプロジェクトでは、口径0.8メートルの完全自動撮像望遠鏡(Katzman Automatic Imaging Telescope;KAIT)を使って観測をおこなっています。今回発見された彗星は、この装置による3月13日の観測で自動的に検出されました。はじめはモジャズ(Modjaz.M.)が超新星候補天体と分類しましたが、その中から、リ(Li,Weidong)が彗星であることに気付いたのです。リはそのあと3夜にわたって確認観測をしています。発見時の明るさは16.5等、「いっかくじゅう座」を北に移動していました。短い名で発音しにくいかもしれませんが、通称はリ彗星です。今の季節は、前夜半に見えます。
その後の観測も含めて求められた暫定放物線軌道要素と予測位置とを、国際天文学連合回報からつぎの表に示します。近日点距離が4天文単位もあり、特に明るくなることはなさそうです。
近日点通過時刻 = 1999 Mar.30.763 TT 近日点引数 = 339°.606 昇交点黄経 = 127°.230 (2000.0) 近日点距離 = 4.05520 AU 軌道傾斜角 = 47°.246 日付 赤経(2000.0)赤緯 地心距離 日心距離 太陽離角 明るさ 1999 時 分 度 分 AU AU 度 等 Mar.18 6 26.36 + 5 38.3 3.773 4.057 99.4 15.5 23 6 28.43 + 6 35.2 3.842 4.056 95.2 15.5 28 6 30.88 + 7 29.8 3.913 4.055 91.0 15.5 Apr. 2 6 33.66 + 8 22.1 3.985 4.055 86.9 15.6 7 6 36.78 + 9 12.0 4.057 4.056 82.8 15.6 12 6 40.20 + 9 59.5 4.130 4.057 78.8 15.7
参照
1999年3月18日 国立天文台・広報普及室