【転載】国立天文台・天文ニュース(172)
久し振りに、眼視で新彗星が発見されました。4月22日に、アメリカ、ミシガン州、ウォルバライン(Wolverine)のストーンハウス(Stonehouse,Patrick L.)が、口径44センチの反射望遠鏡で発見したものです。彗星は12等の明るさで、「へび座(頭部)」にあって、北西に移動しているということでした。コマは拡散状で、僅かに中央集光があると報告されています。初めの報告は位置の精度が不十分であったため、確認観測にちょっと手間取りましたが、発見者のその後の報告に基づいてさらに捜索がおこなわれ、確認されました。確認観測では、10分ほどの長さの尾が南々西に伸びているのが見られています。この彗星の認識符号は C/1998 H1 で、通称はストーンハウス彗星です。
これまでの観測から求められた暫定放物線軌道と、それに基づく予報位置はつぎのとおりです。今後は地球からも太陽からも遠ざかりますから、特に明るくなることはありません。
近日点通過時刻 = 1998 Apr. 14.205 TT | 近日点引数 = 1.146度 |
昇交点黄経 = 222.103度(2000.0) | |
近日点距離 = 1.48678 AU | 軌道傾斜角 = 104.668度 |
日付 | 赤経(2000.0)赤緯 | 地心距離 | 日心距離 | 太陽離角 | 明るさ | |
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1998 | 時 分 | 度 分 | AU | AU | 度 | 等 |
May 2 | 14 52.47 | +24 30.0 | 0.589 | 1.508 | 140.0 | 10.6 |
7 | 14 20.75 | +33 24.7 | 0.667 | 1.521 | 129.2 | 10.9 |
12 | 13 52.25 | +39 33.7 | 0.766 | 1.537 | 119.3 | 11.3 |
17 | 13 27.92 | +43 37.8 | 0.878 | 1.557 | 110.8 | 11.6 |
22 | 13 7.95 | +46 16.7 | 0.997 | 1.579 | 103.5 | 12.0 |
27 | 12 52.05 | +47 59.5 | 1.121 | 1.603 | 97.3 | 12.3 |
June 1 | 12 39.71 | +49 5.8 | 1.245 | 1.630 | 91.8 | 12.6 |
6 | 12 30.36 | +49 48.4 | 1.369 | 1.660 | 86.9 | 12.9 |
11 | 12 23.50 | +50 15.2 | 1.492 | 1.691 | 82.5 | 13.2 |
16 | 12 18.68 | +50 31.5 | 1.611 | 1.725 | 78.5 | 13.4 |
21 | 12 15.55 | +50 40.8 | 1.728 | 1.760 | 74.8 | 13.6 |
26 | 12 13.85 | +50 45.4 | 1.841 | 1.797 | 71.4 | 13.9 |
1998年4月30日 国立天文台・広報普及室