【転載】国立天文台・天文ニュース(144)
北海道、名寄市の佐野康男(さのやすお)さんは、11月25日23時(日本時間)前後に、口径28センチの反射望遠鏡によって得たCCDの像から、R等級16.7等の超新星らしい天体を発見しました。この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)氏を通じて、国際天文学連合に報告されました。
この天体が発見されたのは「やまねこ座」で、銀河UGC4107(*)の中心から東へ10秒、南へ20秒のところです。八ケ岳南麓天文台の串田嘉男(くしだよしお)さんの測定では、
赤経 | 7h 57m 2.87s | |
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赤緯 | 4933' 41.3" | (2000.0) |
ホイップル天文台にある口径1.5メートルのティリングハスト望遠鏡によって11月26日に撮影されたこの天体のスペクトルはやや異常であり、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのガーナビッチ(Garnavich,P)らは、「これが通常の恒星でないことは明らかだが、まだ超新星と結論することもできない」と述べています。
(*) UGC とは、ニールソン(Nilson,P)が編集し1973年に出版したウプサラ銀河カタログのことで、パロマー星図の青プリントから、視直径が1分より大きい、あるいは明るさが14.5等より明るい銀河をすべて拾いだしたものです。全部で12921個の銀河を含んでいます。参照
1997年11月27日 国立天文台・広報普及室