高尾明さんが明るい新星らしき天体を発見

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

北九州市の高尾明さんは、昨年、今年と新星を発見されている天体捜索者ですが、このほど7.4等級と明るい新星らしき天体をさそり座に発見されました。この天体は増光中のようで、もしかすると肉眼でも見えるほどの明るさになるかもしれません。 新天体は、8月3.583日(世界時、以下同様)に撮影されたCCD画像上で発見されました。位置は、

赤経:17時29分18秒
赤緯:-31度46.0分 (2000年分点、精度0.1分角程度)

と報告されています。この天体は、チリのラス・カンパナス天文台に置かれた自動全天サーベイASAS-3でも、発見の前日の2.071日にV=9.9等でとらえられています。このことから、天体が増光中で、もしかしたら肉眼等級まで明るくなるかもしれないと期待されます。

この位置周辺には、目立った赤外線源もX線源もなく、新星の可能性が高いものと思われます。位置の精度がまだ荒いため、爆発前の星は確定していませんが、16等級よりも暗いことは確実でしょう。今後の分光観測や光度測定、精密な位置測定が待たれます。

発見画像は、

http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~yamaoka/takao/nsco040805.jpg

で見られます(高尾さん提供)。双眼鏡でも見られるでしょうから、夏休みの新天体観察の対象としてはいかがでしょう。

参考文献

2004年 8月 5日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。