彗星行きの搭乗手続き、今月末で締め切りに


 2004年12月30日に打ち上げが予定されている彗星行きの探査機「ディープ・インパクト(Deep Impact)」に、自分や友人の名前を載せるための『搭乗手続き』が、1月末をもって締め切られます。アメリカ航空宇宙局(NASA)では、まだ手続きをしていない人はお早めに、とアンアウンスしています。

 ディープ・インパクトは、アメリカのディスカバリー・ミッションのひとつとして1999年にゴーサインがでた彗星探査機で、2005年7月4日に短周期彗星であるテンペル第1彗星に接近する予定です。この接近時に、探査機から370キログラムもある銅製の実験体を衝突させ、彗星核の様子を観測する予定です。実験体は時速3万7千キロメートルという猛スピードで彗星に衝突しますので、そ の衝撃によって表面には直径100メートル、深さ25メートルほどのクレーターができると予想されています。どのようなクレーターができて、どんな現象が起きるかを観測し、そのデータを地球に送信する予定です。これによって彗星核の内部構造や強度などを調べることができます。この衝突実験でクレーターができたテンペル第1彗星は、そこから内部のフレッシュな物質が吹き出し、一時 的に非常に明るくなると予想されています。もしかすると肉眼で見るほどになるかもしれません。

 この「ディープ・インパクト」には、火星探査機「のぞみ」でも行われた「名前を載せようキャンペーン」が展開されています。インターネットで名前を登録すると、搭載されるCDに書き込まれ、探査機と共に宇宙へと旅立ちます。そして、7月4日には実験体とともにテンペル第1彗星に衝突する予定です。登録すると署名入りの証明書が返信されてきます。名前を登録すると自動的に証明書が発行されるのも、いままでにない趣向で、すでに世界中から49万名もの名前が登録されています。自分や家族の名前を彗星まで連れて行って欲しい方は、ぜひ1月末まで下記の場所で搭乗手続きをしてはいかがでしょうか。

http://deepimpact.jpl.nasa.gov/sendyourname/index.html

参照

2004年1月22日 国立天文台・広報普及室


転載:ふくはらなおひと(福原直人)