【転載】国立天文台・天文ニュース(333)

日本天文学会春季年会にジュニアセッション


 天文学会の講演会に、初めてジュニアセッションが設けられました。

 日本天文学会春季年会は、2000年4月3日(月)から5日(水)にかけて、東京都文京区本郷の、東京大学理学部で開催されます。その特別セッションとして、今回ジュニアセッションが設けられました。具体的には、4月3日(月)に理学部4号館のB会場、1220号室で、16時から18時の間にジュニアセッションが開かれます。

 ジュニアセッションは、中学生、高校生を対象としたセッションで、天文学に関する日頃の学習やクラブ活動、あるいは天文講座や個人的体験を通して、学び、研究した成果を発表する場として設定されました。最近は、学生、生徒の「理科離れ」が深刻であるとの認識が深まっています。それに対するものとして、ジュニアセッションには、天文学に関心のある生徒同士がつながりをもち、また天文学の現場で活躍している研究者との触れ合いから、中学、高校の皆さんに、天文学についての学習活動をより活発にしてほしいとの、関係者の願いが込められています。

 今回のジュニアセッションでは、全部で17件の発表があり、そのうち14件は口頭およびポスターの発表、3件はポスターのみの発表です。これらの発表には、延べ48人の高校生(高専生1人を含む)、8人の中学生が参加しています。内容は、光害に関するもの、流れ星の観測、小惑星の測光、銀河衝突のシミュレーションなど多彩にわたっています。一般の方が聴いても、興味がもてるのではないでしょうか。

 年会に参加するには、一般に登録料が必要ですが、ジュニアセッションで発表する、あるいは聴講するのは無料です。また、このセッションに参加された中学生、高校生の方は、そのままジュニアセッション以外のセッションを聴講されても差し支えありません。ご希望の方は、受付で、ジュニアセッションに参加すること、中学生、あるいは高校生であることを申し出ていただくことになっています。

 天文学に興味をもつ若い方々に少しでもその理解を深めてほしいと、天文関係者はさまざまな努力をしています。たとえば、国立天文台や東京大学は、高校生を対象にして、望遠鏡などの観測機器に触れ、それを実際に使用して結果を求めるという泊まりがけの教室を毎年開いています。ジュニアセッションも、そうした努力のひとつです。これらの行事に参加できる生徒の数は限られますから、その影響はあまり大きくないかもしれませんが、地道な努力の積み上げが、将来の天文学を担う人材につながることを期待しているのです。

参照

2000年3月16日 国立天文台・広報普及室


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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