【転載】国立天文台・天文ニュース(299)

新彗星 C/1999 T1(McNaught-Hartley)


 オーストラリア、サイディング・スプリンク天文台のマクノート(McNaught,Robert H.)は、口径1.2メートルのシュミット望遠鏡でハートレイ(Hartley,Malcolm)が撮影した乾板から、「ろ座」に15等の新彗星を発見しました。認識符号はC/1999 T1、通称はマクノート・ハートレイ彗星です。その後の観測も加えて求められた暫定放物線軌道要素はつぎのとおりです。いまのところ、日本からはほとんど見えない位置なので、予測位置は省略しました。

    近日点通過時刻 = 2000 Dec. 9.634 TT
    近日点距離     = 1.15380 AU

        近日点引数   345゜.173
        昇交点黄経   181゜.735   (2000.0)
        軌道傾斜角    79゜.094

 天文ニュース(296)では、来年夏に肉眼彗星になる可能性がある、リニア彗星(C/1999 S4)についてお知らせしました。これ以外に、あまり大きい望遠鏡でなくても観測可能な、中程度の明るさの彗星がいくつか見えています。それらについても簡単にお知らせします。

                          日付       赤経        赤緯     明るさ
    C/1999 H1(Lee)       Oct. 14   23h 21m.83  +35゜16'.0   9.5等
                         Oct. 19   23  02.06   +28  50.9    9.9
    C/1999 J3(LINEAR)    Oct. 15    7  39.42   -12  23.7    7.5
                         Oct. 19    7  27.01   -26  11.8    7.6
    C/1999 N2(Lynn)      Oct.  9    3  35.64   +38  17.8   12.2
                         Oct. 19   13  46.83   +40  45.5   12.6
    C/1999 S3(LINEAR)    Oct. 14   23  30.50   +57  36.2   13.1
                         Oct. 19   22  56.95   +58  33.9   13.2

1997年に肉眼でよく見えたヘール・ボップ彗星は、まだ13等くらいで見えています。しかし、残念ながら日本からは見ることができない位置です。

参照

1999年10月14日 国立天文台・広報普及室


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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