【転載】国立天文台・天文ニュース(259)

その後発見された新彗星


 天文ニュース(255)でカタリナ彗星の発見をお知らせしてから一ヶ月足らずの間に、たくさんの彗星が発見されています。太陽観測宇宙天文台SOHOによる発見(2個)を別にしても、5個の新彗星が数えられます。明るい彗星はありませんが、今回は、それらをまとめて報告いたします。

C/1999 H3(LINEAR)

 リンカーン観測所チームが4月22日に「はくちょう座」に16.8等で発見。小惑星状で、近日点距離は3.50186天文単位。通称はリニア彗星です。

参照

C/1999 J2(Skiff)

 ローエル天文台、ロネオス(LONEOS)観測チームのスキッフ(Skiff,B.A.)が5月13日、「りゅう座」に16.0等で発見。近日点距離が7.48613天文単位もあります。通称はスキッフ彗星です。

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C/1999 J3(LINEAR)

 リンカーン観測所チームが5月12日「こぐま座」に18.8等で発見。見かけは小惑星状。近日点距離は1.14768天文単位。通称はリニア彗星です。

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P/1999 DN3

 クロアチア、ヴィスニアン観測所のコーレビック(Korlevic,K.)とジュリック(Juric,M.)により2月19日に18.7等の明るさで「おとめ座」に小惑星として発見されたものです。その軌道から彗星の可能性が指摘され、5月13日に口径1.5メートルのカタリナ反射望遠鏡による観測でコマや尾が確認されて、彗星であることが明らかになりました。周期9.6年の周期彗星ですが、小惑星としての認識符号がつけられています。

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C/1999 J4(LINEAR)

 リンカーン観測所チームが5月15日に「うしかい座」との境界付近の「ヘルクレス座」で18.2-18.8等で発見。はじめ小惑星と報告されましたが、何人もの観測者から「彗星のようだ」との指摘があり、その後の観測でコマが認められて、彗星であることがわかりました。近日点距離は3.86165天文単位、通称はリニア彗星です。

参照

1999年5月20日        国立天文台・広報普及室


転載: ふくはら なおひと(福原直人) [自己紹介]

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